水商売で働いていると、
- 仕事で使うメイク用品代
- お店で着るドレス代
- 移動の際に使うタクシー代
- 髪をセットするヘアセット代
- お客様とのお食事代
- お客様へのプレゼント代
- 営業をする際に使用するスマホ代
と言ったように、実は結構出費が多い職業でもあります。
しかし、確定申告と言う手続きをすれば上記の掛かったお金を「経費」として扱うことが出来ます。
「経費」として扱うことが出来れば、自分の支払う税金を節約することが出来ます。
なぜ経費として扱うと支払う税金の節約に繋がるのかについては、以下の記事で詳しくご紹介しています。
興味のある方は参考にされてみてください。
しかし、上記の全てを全額経費として扱うことは難しいケースがあります。
そこで今回は、水商売で働いている上で使う物や購入する物の中で
- 経費に出来るもの
- 部分的に経費に出来るもの
をその理由と共にご紹介していきたいと思います。
経費に出来るもの
まず、全額経費に出来るのは仕事上でしか使うことがない物になります。
水商売で例えると、
- お店で着るドレス代
- 髪をセットする際のヘアセット代
- 仕事で使う小物
- お店は履くヒールやサンダル
- お店と自宅の往復で使うタクシー代
- お客様とのお食事代
- お客様へのプレゼント代
辺りは、全額経費にすることが出来ます。
お店で着るドレス代
お店で着るドレスなどは、確実に経費にすることが出来ます。
と言うのも、キャバドレスのような衣装は基本的にプライベートでも着る人はいないからです。
つまり、仕事でしか使わない物になるため衣装代やドレス代は経費として扱うことが出来ます。
ドレスの下に付けるヌーブラも経費に出来るよ!
お店で着る衣装やドレスなどは、確定申告書類の中の「経費科目」の中の「消耗品費」に分類されます。
書類上は「消耗品費」扱いだけど、注意書きとして「衣装代」と書いておくと分かりやすいのでおすすめです。
ヘアセット代
水商売で働いていると、出勤する日はヘアセットをして出勤する人がほとんどだと思います。
大体1回のヘアセットで1,500~3,000円くらい掛かりますが、このヘアセットで使ったお金も経費にすることが出来ます。
経費に出来る基準は、あくまでも仕事でのみ使ったお金になるのでヘアセット代も全額経費に出来ます。
しかし、
- ヘアカット
- ヘアカラー
- エクステ
- ネイル
などは部分経費になるため全額経費にすることは出来ません。
理由としては、日常生活にも及ぶため仕事とプライベートの線引きが難しいからです。
ちなみに、仕事でのみでウィッグを使うならそのウィッグ代は全額経費に出来るよ。
ヘアセット代は、確定申告書類の中では「雑費」に分類されます。
念のため、注意書きとして「ヘアセット代」と記載しておくのが分かりやすいのでおすすめです。
仕事で使う小物代
仕事で使う小物とは、
- クラッチバッグ
- 名刺入れ
- ハンカチ
- ライター
- 筆記用具
などです。
上記の物を購入した時に掛かったお金も全額経費にすることが出来ます。
そして、上記の仕事道具もドレスなどと同じく「消耗品費」に分類されます。
当サイトでは、経費として扱えるおすすめの仕事道具もご紹介しているので、興味のある方は参考にされてみてください。
お店で履くヒールやサンダル代
お店で履くヒールやサンダルも仕事でのみ使用する前提なので、全額経費にすることが出来ます。
ただし、プライベートでも兼用で履く場合は線引きが難しいから部分的な費用になるものに分類されてしまうよ。
紛らわしいと感じるのなら、プライベートで使う物と仕事で使う物をきっちりと分けておけば良いよ。
ちなみに、ヒールやサンダルも確定申告書類の中では「消耗品費」に分類されます。
以下の記事では、キャバ嬢におすすめのサンダルとヒールをご紹介しているので興味のある方は参考にされてみてください。
お店と自宅の往復で使うタクシー代
自宅からお店へ出勤する際にタクシーを利用する方は多いと思います。
このタクシー代も経費として扱うことが出来ます。
ただし、プライベートで利用したタクシー代は経費には出来ないよ!
また水商売で働いている方の中には、アルコールは飲まないため車通勤している人もいるかもしれません。
車通勤の場合、仕事中に停めておく駐車場代・ガソリン代なども経費として扱うことが出来ます。
ガソリン代に関してはプライベートでも使うため、掛かったお金の50%の金額を経費として扱うことをおすすめします。
確定申告書類の中では、
- タクシー代:旅費交通費
- 駐車場代:よく利用するなら「消耗品費」・たまにしか利用しないなら「雑費」
- ガソリン代:消耗品費
に分類されます。
駐車場代に関しては、週2~3出勤なら「雑費」で週4~5出勤なら「消耗品費」って事だよ。
お客様とのお食事代
水商売で働いていると、お客様とお食事に行ったりアフターに行ったりする機会も多いです。
お食事やアフターで掛かった費用は、仕事に関わるお金になるので全額経費にすることが出来ます。
とは言っても、キャバ嬢とかの場合多くはお客様側が奢ってくれるケースが多いとは思うけどね…。
お客様との食事やアフターでかかった費用は「接待交際費」に分類されます。
また、お客様とお昼から一緒に行動する際の移動費などは「旅費交通費」に分類されます。
お客様へのプレゼント代
水商売で働いていると、お客様へのお礼も兼ねてプレゼントを渡す機会も多いと思います。
このお客様に渡すプレゼントも全額経費として扱うことが出来ます。
例えば、
- お客様の誕生日プレゼント代
- クリスマスプレゼント代
- バレンタイン用に購入したチョコ代
などになります。
つまり、太いお客様に渡すプレゼントは「交際費」・細いお客様に渡すプレゼントなら「広告宣伝費」って事だよ。
以上が、水商売で働いている人が全額経費にすることが出来るケースになります。
ただし、経費にしたいのであれば大前提としてレシートや領収書が必要になってきます。
ですので、上記の物を購入したり利用したりした際は、レシートや領収書を取っておくことをおすすめします。
どうしてレシートや領収書を取っておいた方が良いの?
なぜなら、レシートや領収書はその商品を購入した・利用した証拠でもあります。
確定申告をする際には、レシートや領収書を元にどのくらい経費としてのお金を使ったかを入力します。
そのため、レシートや領収書が手元にあった方が確定申告書類の作成が非常にスムーズに出来ます。
その他にも、万が一税務調査を受けた際にレシートや領収書があれば、
確定申告書類に嘘の記載はしていません!
と言う証拠にもなります。
ですので、仕事で使うために掛かったお金のレシートや領収書は必ず取っておくことをおすすめします。
部分的に経費に出来るもの
次に部分的に経費に出来るものについてご紹介していきたいと思います。
部分的に経費に出来る物に位置づけられるのは、主に仕事とプライベートの両方で使う物になります。
いわゆる「家事按分(かじあんぶん)」に分類される物になるよ。
例えば、
- スマホ代
- 同伴で着る洋服代
- メイク用品代
- 自宅のWi-Fi代
- 住んでいる家の家賃代
- 光熱費
- 整形代
などが分類されます。
部分的に経費に出来るって言っても、具体的にどれくらい?
と思った方もいると思います。
目安としては、ひとまず半分の50%を経費として扱うことをおすすめします。
ただ、圧倒的に仕事で使う時間の方が長いとかであれば全体の70%を経費と扱っても良いです。
スマホ代
水商売で働いていると、お客様とのやり取りのため頻繁にスマホを使う機会が多いと思います。
このスマホ代も部分的に経費にすることが出来ます。
部分的に経費に出来るケースは、仕事とプライベートで同じスマホ使っている場合になります。
仕事用とプライベート用でスマホを分けているのであれば、仕事用のスマホ代を全額経費に出来るよ!
スマホ代は、確定申告書類の中では「通信費」に分類されます。
同伴で着る洋服代
水商売で働いているとお客様と同伴やプライベートでも逢うケースもあると思います。
その時に着る私服も部分的に経費にすることが出来ます。
でも、同伴なんかは仕事なんだから全額経費にも出来そうじゃない?
と思った方もいると思います。
洋服を全額経費にしたいのであれば、仕事用とプライベート用で分けておけば仕事用で着る洋服は全額経費に出来ます。
逆に、仕事でもプライベートでも着るような服なら半分の額を経費として扱っておいた方が安全だと思います。
洋服代は、確定申告書類の中では「消耗品費」に分類されます。
メイク用品代
ファンデーションやアイライナー・カラコンなども部分的に経費にすることが出来ます。
メイク用品などは、仕事でもプライベートでも使うため全額経費にすることは難しいと思っておいた方が良いです。
ただ、カラコンに関しては仕事でしか使わないのであれば全額経費にすることが出来ます。
メイク用品やカラコンに関しては、確定申告書類の中の「消耗品費」に分類されます。
当サイトでは、水商売で働いている方におすすめなメイクグッズやカラコンなどもご紹介しているので、興味のある方は参考にされてみてください。
自宅のWi-Fi代
意外かもしれませんが、もし自宅でWi-Fiを使用している場合はWi-Fi代も一部であれば経費にすることが出来ます。
スマホ代を部分的に経費に出来るのと同じように、Wi-Fi代も仕事の一部として使用していれば部分的に経費にして大丈夫です。
ただし、全額経費には出来ないからね。
Wi-Fi代とかどのくらい使っているか分からなくない?
という方は、とりあえず30%程度を経費として扱うことをおすすめします。
でも、さっき部分的に経費に出来るのは50%が目安って言ってなかった?
と思った方もいると思います。
Wi-Fi代を30%程度としたのは、1日の中で家で何時間くらい営業するかを考えてみると分かりやすいです。
50%だと1日12時間も営業をしていることになります。
お店に出勤していないのに12時間も仕事として営業していていたらプライベート無くなるよ…。
ですので、Wi-Fi代のような目に見えない費用を経費として扱うのであれば、1日や1年間でどのくらいの時間使っているかを考えてみると分かりやすいと思います。
住んでいる家の家賃代
これも意外かもしれませんが、実は住んでいる家の家賃代も一部であれば経費にすることが出来ます。
理由は、スマホ代やWi-Fi代と同じように自宅でお客様とのやり取りをしているため、仕事をしていると見なされるからです。
ただし、家賃に関しては家のどこでどのくらいの面積の範囲内でお客様へ営業をしていたかによって経費に出来る金額が変わります。
簡単に説明すると、
- 住んでいる家全体の床面積(㎡)
- 仕事をしているスペース分の床面積(㎡)
- 家の家賃代
を元に計算します。
計算式は、(仕事で使っている床面積÷家全体の床面積)×家賃になります。
でも、自分の住んでいる部屋の床面積なんて知らないよ?
と思った方もいると思います。
知らない方は、賃貸であれば部屋を契約した際に貰える契約書などに部屋の間取り図や床面積が記載されているはずです。
例えば、間取りが1Kで6畳のマンションに家賃8万円で住んでいると仮定した場合、部屋全体の床面積は大体20㎡前後が多いです。
そして、6畳を平方メートルに直すと大体10~11㎡になります。
以上を踏まえて計算すると、(10㎡÷20㎡)×8万円=4万円となります。
ですので、上の条件の部屋に住んでいる人の場合、4万円の家賃代を経費として扱うことが出来ます。
家賃代は、確定申告書類の中では「地代家賃(ちだいやちん)」に分類されるよ!
光熱費
更にもう一つ意外なのが光熱費も一部経費にすることが出来ます。
例えば、
- 営業に使うスマホを充電する電気代
- ドレスなどを洗濯するのであれば水道代
などは、仕事に関わるため一部経費として扱うことが出来ます。
具体的な費用が分かりにくい部分ではありますが、光熱費の請求書や引き落とし金額がキチンと記載されている通帳のコピーなどから割り出すことが出来ます。
例えば、1日3時間くらい仕事に関わる事をしていれば、1ヶ月あたり90時間前後を家の中で仕事に充てていることになります。
そして、その1ヶ月の間の光熱費が1万円だったと仮定すると
- 90時間(1ヶ月の家での労働時間)÷720時間(30日×24時間)=0.125
- 1万円×0.125=1,250円
となり、光熱費1万円の内の1,250円をとして経費にすることが出来ます。
もちろん月によって光熱費の金額は変わるから、上のような計算を12か月分して、その合計を確定申告に記載するよ!
このような計算も必要になってくるため、光熱費などの請求書や引き落とし金額が記載されている通帳のコピーはしっかりと保管しておくことをおすすめします。
1ヶ月だと微々たる金額に感じるかもしれないけど、1年間となるとそれなりの金額にはなるから甘く見ない方が良いよ…。
ちなみに、光熱費に関しては確定申告書類の中では、「水道光熱費」に分類されます。
整形代
最後は美容整形代です。
水商売は、自分自身が社長で商品であるため美容整形をしている人も多いと思います。
となると、気になるのが「美容整形代」は経費にすることが出来るのか?
と言う疑問です。
結論から言うと、美容整形代も部分的に経費に出来る場合があります。
しかし、美容整形代は税金のプロである税理士さん達でも意見が分かれる難しい部分です。
そのため、税務調査でも美容整形代に関しては調査官からかなり細かく質問を受ける可能性があります。
でも、整形代って高額だし経費に出来るなら経費にしたいよね~。
と言う方は多いと思います。
本当なら全額経費にしたいところですが、美容整形をした場合は仕事だけでなく日常生活にも影響が及ぶため仕事とプライベートの線引きが難しい部分です。
ですので、美容整形代を経費にしたいのであれば、掛かった金額の30%~40%くらいが限界だと思います。
と言うのも、1日のうち同伴+出勤を合わせても最長で7~8時間を仕事の時間と考えると、24時間のうちの30%程度にしかならないからです。
ちなみに、美容整形代に関しては確定申告書類の中では「雑費」に分類されるよ!
まとめ
今回は、水商売で働いている人向けに確定申告をする際の経費に
- 全額出来るもの
- 部分的に出来るもの
に分けてご紹介してきました。
まず。全額経費に出来るものが
- お店で着るドレス代:消耗品費
- ヘアセット代:雑費
- 仕事で使う小物:消耗品費
- お店で履くヒールやサンダル:消耗品費
- タクシー代:旅費交通費
- 駐車場代:よく利用するなら「消耗品費」・たまに利用するなら「雑費」
- ガソリン代:消耗品費
- お客様とのお食事代:接待交際費
- 何人ものお客様に同じプレゼントを渡す:広告宣伝費
- お客様一人ひとりに違うプレゼントを渡す:交際費
そして、部分的に経費に出来るものが
- スマホ代:通信費
- 同伴で着る洋服代:消耗品費
- メイク用品代:消耗品費
- 自宅のWi-Fi代:通信費
- 家賃:地代家賃
- 光熱費:水道光熱費
- 美容整形代:雑費
となります。
正直な話、確定申告書類を作成する上で一番時間が掛かって面倒なのが、この経費を計算する部分です。
しかし、この経費の部分さえ計算出来れば、後は簡単な数字を入力するだけなのでひと昔前に比べるとかなり簡単に確定申告が出来るようになっています。
そして、確定申告をすれば自分の支払うべき税金を法律的に節約することが出来るため、なるべく税金を支払いたくないと思うのであれば多少面倒でも確定申告はしっかりとすることをおすすめします。
確定申告に関しては以下の記事でも詳しくご紹介しているので、興味のある方は参考にされてみてください。